腹水 治療 ガイドライン

日本には腹水治療のガイドラインはありません

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 腹水は腹腔内に水分が異常に溜まっている状態をいい、腹腔は横隔膜より下側で胃や肝臓、腸などの内臓が収まっている空間となります。
そして横隔膜よりも上側で肺などが収まっている空間を胸腔といいます。
腹腔には健康な人でも数十ミリリットルの腹水が常に存在しており腸などが動く際の潤滑油の役割を果たしています。
しかし何らかの病気によって大量に溜まってしまうことがあります。
そしてこれは性状によって漏出液と浸出液に分けられます。
浸出液は肝硬変や右心不全に起きやすくなります。
一方、浸出液は細菌感染や癌のリンパ節転移などの腫瘍性の病気で起きやすくなります。
そしてどちらの場合も急性疾患ではなく、慢性疾患の人に起きる傾向があります。
腹水の治療のガイドラインは日本では定められていません。
しかし、治療の基本としてはベッドで寝ている状態での安静とナトリウム制限摂取の食事療法に併せて薬物療法が始めに行われることが多くなっています。

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治療に使用される主な薬剤は利尿薬やアルブミン製剤となります。
それでも改善が見られないケースには腹腔穿刺による水の排出が行われます。
しかし、腹水の治療ガイドラインがないために標準的な治療が確立しておりません。
そのため穿刺による排出に関してもどのくらいの量をどれくらいの時間をかけて排出すべきか等細かいことは臨床の現場での経験によって違いが生じてしまいます。
ですが一般的に肝硬変に合併している腹水は利尿薬、癌に合併している場合は穿刺による排出を実施する施設が多くなっています。
とはいっても溜まっている水にはグロブリンなど免疫関連物質等、体にとって重要な成分も含まれており排出によって弱ってしまうといった否定的な考えも多くありました。
さらにガイドラインが確立していないために現場でも意見が分かれていましたが、米国を中心とした大規模調査で利尿薬よりも腹腔穿刺の方が安全で確実に症状を楽にすると報告されました。
さらに水を排出しない場合とする場合を比べると排出した方が楽になるという米国データもあります。
そして日本でも近年はアルブミンなど体にとって必要な物質を回収して戻す腹水濾過濃縮再静脈法が行われるようになってきました。

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